FX取引では、さまざまな注文方法があり、選択できるようになっています。
それぞれの特徴を理解すると、トレードに大いに役立ちます。
本記事では、様々な注文方法について詳しく解説していますので、是非最後まで読んで行って下さい。
FXにおける注文とは?
FXにおける注文は、大きく分けると『新規』と『決済』の2種類しかありません。
この2種類をどの条件で行うのかによって、注文パターンが決まります。
全ての注文パターンを覚える必要はない
FXには先程の条件を組み合わせた様々な注文パターンがあります。
各注文パターンについて後ほど詳しく解説を行いますが、それら全てを覚える必要はありません。
稼いでいるトレーダーが全ての注文パターンを覚えて、それらを全て使いこなせている人は滅多にいないです。
なぜ、全て覚えて使いこなす必要がないかと言うと、稼いでいるトレーダーは、自分に適した注文パターンをしっかり把握して、その注文パターン1つ習得するだけで稼げるようになるため、わざわざ他の注文パターンを試してリスクを負う必要がないからです。
ですので、知識として知っておく事は大事ですが、全ての注文パターンを覚える事に労力を割く必要はありません。
重要なのは、自分に適した注文パターンを見つけるということです。
FXにおける注文パターン紹介
成行注文とは
成行注文とは売買価格を指定せずに、その時の相場の価格で注文を入れることを言い、今すぐにその価格で売買を行いたい時に使う注文で、最も基本的な注文方法です。
成行注文を実際に使うトレーダーは、比較的張り付いて相場を見られる専業トレーダーやスキャルピングトレードなどの超短期トレードを行なっているトレーダーが基本的に使っている傾向が多いです。
指値注文とは
指値注文とは買いたい、または売りたい価格を指定してあらかじめ注文を入れておく方法になります。
買いの指値注文の場合は今の価格よりも低いところを指定して入れる、売りの指値注文の場合は今の価格よりも高いところを指定して入れる注文で、今の価格より有利なところで入れるのがこの注文方法になります。
24時間相場を監視し続けることは不可能ですが、見てない時に大きく稼げるチャンスが眠っています。
そこで活用したいのが「指値注文」であり、現在のレートより上がったら売り、下がったら買いとすることで、より有利な条件での取引を狙うことができます。
逆指値注文とは
逆指値注文とは、指値注文と同じように買いたい、売りたい価格を指定して注文を入れる方法です。
指値注文との違いは、指値注文は現在の価格より有利なところを指定して入れるものになりますが、逆指値注文は現在の価格より不利なところを指定して入れる注文方法になります。
普通に考えると有利なところで注文を入れるのはわかると思いますが、この不利なところで入れる注文方法をどういうところで使うのかというと、損失を限定させたい時や、ある価格を越えたら大きく相場が動くと考えている時にこの注文方法を使います。
IFD(イフダン)注文とは
IFD注文とは新規指値(逆指値)注文と決済指値(逆指値)注文を同時に設定して置くことを言います。
「IF DONE」の略で『もし最初に出した注文が成立したら、次の注文をします』という意味になります。
新規注文が成立したら決済注文も置かれるので、IFD注文で決済逆指値にあたる損切注文を出しておけば見ていないときでも安心です。
忙しくてあまりチャートが見れない人などにはお勧めの注文方法です。
OCO(オーシーオー)注文とは
OCO注文とは新規注文、決済注文のどちらにも使われますが、今の価格の上下に設定しておいてどちらかが成立したらどちらかを取り消すという注文方法です。
「One Cancels the Other」の略で1つが成立したら他を取り消すという意味になります。
上でも書きましたが、新規注文なら現在の価格の上下に設定、決済注文なら今持っているポジションの上下に設定してどちらかが成立するのを待ちます。
これも成立するまではチャートを見る必要がないのであまりチャートを見れない人には便利です。
IFO(アイエフオー)注文とは
IFDとOCOを組み合わせてIFO注文と呼ばれています。
IFD注文と同じように新規注文が成立したら、決済はOCO注文と同じようにあらかじめ設定したら上下のどちらかの価格に到達するまで放置するという注文方法です。
IFO注文は新規注文から決済注文の全てが自動で成り立つので、このやり方も時間がない方には使いやすい注文方法です。
ストリーミング注文とは
ストリーミング注文とは、成行注文のように約定レートにぶれが生じないために、約定させたいレートで約定させることができる注文方法です。もしクリックした時に不利なレートに変動した際は約定させない便利な注文方法です。
注意点として、相場の変動が激しいときはなかなか約定しませんので、相場変動が比較的緩やかなときに使うのが一般的な使い方です。 ストリーミング注文の約定率を上げたい場合、許容スリップで許容できる変動幅を設定することができます。
トレール注文とは
トレールとは『追いかける』という意味で、相場の値動きに応じて、決済の逆指値注文のレートがある一定の値幅で相場に追従していく注文方法です。
例えば新規に買いポジションを持った場合、想定通りに相場が上昇すると、決済逆指値注文のレートが相場の上昇に追従して自動的に切り上がっていきます。
相場が下落した場合でも、切り上がった決済逆指値注文のレートで決済されるため、トレンドが発生した場合には利益を伸ばすことができ、その後、相場が反転しても損失を限定することが可能となります。
損失を限定しながら利益を伸ばせるメリットがありますので、決済タイミングでいつも悩んでしまう方には使いやすい注文です。
FXにおける注文パターンについて知っておくべき注意点
スリッページによる損失
スリッページとは、注文を出した時の価格と、約定した時の価格にズレが生じることです。
例えば、1ドル=100.00円の時に買い注文を出したものの、実際には1ドル=100.50円と、ズレた位置で約定することがあります、これがスリッページです。
先程、紹介した「ストリーミング注文」ではスリッページの許容範囲を設定できますが、「成行注文」では設定できませんので損失を受けてしまいます。
1トレードだと大したことない金額に思えますが、コツコツ積み重なると年間で数万〜数十万円というお金をスリッページによって損してしまう可能性もありますので、決して軽視すべきことではないと知っていただきたいです。
窓開けによる思わぬ損失
週明け月曜日の朝、ローソク足の間に大きく隙間ができることがあります。
これを『窓開け』と呼びます。
なぜ、『窓開け』が起こるかと言うと、FX取引は基本的に平日24時間取引が可能で、日本や欧米・アジア諸国では土曜・日曜が休日で、FX会社も取引業務をしないためトレードが行えないですが、中東のバーレーン市場のみ土日も開場しており、大きな取引があると、週明け急に反映されるため「窓開け」が起きるという仕組みです。
ここで注意したいのが、『逆指値注文』によって損切り設定していたとしても、「窓開け」によって設定したレートで約定されず、大きな損失になることがあります。
この『窓開け』の扱いについてはFX会社によって違いますので、しっかり確認する必要があります。また、『窓開け』の影響を受けないように週またぎのトレードは極力控えた方がいいです。
各国の重要指標による損失
FXには様々な指標発表があり、指標が発表された瞬間は相場は大きく動きます。
従って指標発表時は、スリッページや約定されないリスクが高まるということです。
運よく含み益の方に伸びてくれればいいですが、想定と違う方に急な値動きが発生すると最悪、損切り注文が間に合わず、損失が大きくなってしまいまので、重要な指標発表がいつあるのかしっかり確認してから注文しましょう。
FXにおける注文パターンまとめ
FX取引では様々な注文方法がありますので、それぞれの特徴をしっかり理解しましょう。
自分のトレードスタイルに合った注文方法を見つけられると、FXの投資効果の向上に期待ができます。
また、これらの注文パターンをうまく使いこなすことで、忙しくて相場を見ることができない会社員の方でも、半自動トレードが可能になります。
これからFXを始められる方は、まずはデモトレードでそれぞれの注文パターンを一度、試した上で、自分に合ったやり方を見つけて下さい。