FXにおける『ナンピン』とは?メリット・デメリットについて徹底解説

FXの勉強をしていると良く出てくる「ナンピン」という言葉。漢字では「難平」と書きます。

ナンピンはうまく使えば効率的に利益を増加させることができる反面、失敗すると損失を増やす手法です。

今回は、FX初心者の方へナンピンがどういったものか、どんなメリット・デメリットがあるのか徹底解説していますので、是非最後まで読んで行って下さい。

FXにおける『ナンピン』とは?

FXにおけるナンピンとは、簡単にいうと含み損になっているポジションの状態からさらに買ったり売ったりする行為のことです。

目的としては、最初に買ったポジションの価格に対して平均取得単価を下げるために追加で買うことで、より利益を得やすくすることです。

買い増しなどは、最初買ったポジションに対して上がったところで追加で買うことを言いますが、
ナンピンは最初買ったポジションより安いところで買うことを言います。
売りの場合はその反対に、最初売ったポジションより高いところで売ることを言います。この手法を反復しておこなうことで、購入時の平均取得単価を下げることが可能となります。

イメージとしてはこちらの画像のように、買いであれば最初赤色丸印のところで買って、その後より有利だと思って黄色丸印のところで買うという感じです。

例えば、仮に最初持ったポジションの価格が100円だったとして、次に買ったのが90円だとすると、同じポジション量だと平均取得単価は95円になります。
そうすることで、平均購入価格が115円に下がるので、120円まで待たずに115円より価格が上昇すれば利益が出る仕組みです。
最初に持った100円の価格より、安いところで保有できているので上昇すると見込んでいるなら有利な取引が出来ていると考えられるということですね。

ただし、相場が下がってしまうと損失が大きくなることもありますので、注意が必要になります。
平均購入価格を下げられるのは一見メリットに見えますが、裏にはデメリットも当然ありますので覚えておいて下さい。

ナンピンのメリットは?

メリット① 購入レートの平均取得単価が有利になる

先ほど説明した通り、ナンピン手法を利用することで、平均取得単価を下げることができます。
これが一番の目的ですね。

上がると予想している相場なので、最初に購入した時よりも安い価格で買い増しするということはメリットなので下がったところで買うというのはある意味自然な考え方です。

こうすることで、相場が予想通り上がった時の利益は最初よりも金額が大きくなります。
したがって平均購入レートを下げることで、利益が出る水準を下げられるのです。

メリット② 利益が出やすくなり、利益額も大きくなる

当然安いところでポジションを保有すれば、高いところで持っているポジションより利益が出やすくなります。また、保有量も増えているので利益額も大きくなります。

例えば、1ドル110円とき100ドル購入し、1ドル100円にレートが落ちた時に、同じく100ドルを購入したとします。

(110+100)÷2=105円

平均購入レートは105円となります。

1ドル100円から120円まで上がった場合、利益を大きく伸ばすことが可能です。
上手くナンピンを利用することができれば大きな利益を得られる場合があるのです。

メリット③含み損を緩和することができる

ナンピンを行うことで、平均購入価格を有利な方向へ転換させることができます。

例えば、1ドル=110円のときに100ドル購入し、その後1ドル=100円に下がったときに、同じく100ドル購入するとします。

そうすると平均購入価格は110+100÷2=105円になります。
すなわち1ドルが100円から105円まで回復すればプラスマイナスゼロにできるのです。

従来は、100ドルのときにもったポジションの含み損は、100ドルまで価格が上がらない限りはプラスマイナスゼロになりません。

含み損を抱えていると、次のトレードができなくなってしまい大きなトレードチャンスがあっても、トレードできません。含み損の解消タイミングが早めることができれば、早く次のトレードを行えるということです。

含み損を緩和するという点においては、ナンピンはメリットになりますが、含み損を抱えているのが嫌、早く次のトレードをしたいと言うような理由でナンピンするのはおすすめしません。

ナンピンのデメリットは?

デメリット① 逆張りトレードになる。

ナンピンの場合は、買いポジションを保有した際には、相場が下降しているときにポジション数を増やして上昇するのを待ちます。
ナンピンとは根拠ある押し目買いや戻り売りということではなく、値ごろ感でトレードをすることを主に言うので、ただ下がっているところで買う、上がっているところで売るというのは逆張りになります。

したがって、リスク管理も当然難しくなります。

デメリット② リスク管理が難しい

リスク管理とは資金管理のことですが、資金管理は損切り幅が決まっていて、もし損切りになったらいくらの損失で終わらせるかというのをあらかじめ決めてからトレードすることです。

トレードだけでなく投資やギャンブルもですが、リスク管理が命です。

これが出来ていないと勝率100%でない限りは必ず資金を飛ばすので、資金を増やすことに注目したトレード方法よりも優先されます。

どんなにトレード技術があっても、これが出来ていない限りは勝てないということです。

ナンピン手法ではリスク管理が出来ないので一切おススメできません。

僕自身も経験してきたことですが、
絶対に上昇すると思って、下がったらチャンスだと思いひたすらナンピンしていた時期がありました。
上がるという思い込みが強すぎてリスク管理まで考えが及んでいない状態です。

やはりそれだと、勝つことはあっても負けた時のダメージが大きすぎて、資金を飛ばしていました。
正直デメリットが大きすぎて、ナンピンするメリットはあまりないかなと思います。

デメリット③ 初心者には向かない

ナンピン手法は初心者に向かない手法です。
理由としては、どのタイミングでナンピンするかタイミングが難しいからです。

先述した通り、適当なナンピンは逆張りとなってしまい大変危険です。
そもそも、FX初心者はFXについての知識が少ない傾向にあります。

知識が薄いままナンピンを行うことで、正しい分析ができずに根拠のない感覚トレードになってしまいます。
やはり、根拠のない感覚トレードでは勝ち続けることは難しいでしょう。

計画的なナンピンはありか?

リスク管理がしっかりできているなら、特に問題ないと考えています。

ナンピンのつもりではありませんが、最初に持ったポジションの価格より安い価格で買うことが実際にあります。

どういった状況の時になるかというと、
大きい時間足の高値ブレイクで一先ず買って、その後の押し目で再び買うというやり方です。

基本的に押し目買い、戻り売りを狙っているんですが、押し目や戻りがない相場もあります。

その時に、トレンドに乗り遅れたくないと思って無駄なトレードをしてしまうことがあるので、それを防ぐためにかなりリスクを抑えて、大きい時間足の高値越えなどで一旦ポジションを持ちます。

その後に押し目があれば再び買うという感じです。

常に実施している訳ではありませんが、こういうトレードをすることがあり結果的に最初のポジションより安いところで買うということになります。

ただ損切りになってもリスク管理は出来ているので、特に問題はないと考えています。

ナンピンについてまとめ

如何だったでしょうか?これまでナンピンについてのメリットやデメリットについて解説してきました。

また負けた時に想像以上の損失になることが多いので、メンタルが崩壊して余計大きな損失を招いたりするので、僕としてはナンピンは止めた方がいいと考えています。

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