トレンドの判断は相場で利益を上げるために最も重要なものの1つです。
トレンドがどっちなのか分からなければ、買ったら良いのか、空売りしたら良いのかわかりません。
当然ですが、仕掛ける方向が分からなければ、利益を上げ続けるのは不可能と言ってもいいでしょう。
なので、トレンドの判断はかなり重要になります。
そのトレンドの判断はどうすればいいのか?
記載していきます。
トレンドを判断するためには
トレンド判断をするためにやはり知っておきたいのはダウ理論です。
ダウ理論はトレンドを判断するものとして良く言われるものですよね。
ダウ理論は、通用する場面だったり通用しない場面だったりがありますが、
トレンドがしっかり出ていれば機能します。
そしてローソク足を軸にして組み立てられているもので、これが重要なポイントと考えています。
何故重要かというと、色んなトレンド判断ツールやインディケーターがありますが、それらのほとんどはローソク足の後追いになります。
使い方によって、それが決して悪いわけではないんですが、
ローソク足の値動きに直結して判断できるダウ理論が一番相場の動きを反映していると考えていますので、ダウ理論が重要だと私は考えています。
ダウ理論でトレンドを判断する定義
ダウ理論には6つの基本原則があり、これらを加味してトレンドを判断していきます。
1、価格はすべての事象を織り込む
2、トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
3、主要なトレンドは3つの段階から形成される
4、価格は相互に確認される必要がある
5、トレンドは出来高でも確認される必要がある
6、トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
これらをそれぞれ解説します。
1、価格はすべての事象を織り込む
これは経済指標や金利の動向など、価格を動かすとされている各国の政策や、地震や災害などの突発的な出来事さえもすべて市場価格に反映されているというものです。
これに関しては同意するところが多くあり、
結局のところ、急な指標発表や政策的な出来事で大きな動きが発生したとしても、重要なサポレジで相場は止められてトレンド方向に動いていくという傾向があります。
テクニカルトレーダーでもファンダメンタルを考慮してトレードされる方もいますが、個人的には一切考慮しなくても勝てているので、
この考え方のもとにトレンドを判断していいと思います。
2、トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
時間軸を考慮せよ!
ということですね。
価格の軸は考慮してトレードされていると思いますが、時間軸はあまり考慮していない方は多いと思います。
短期はいわばスキャルピング、中期はデイトレード、長期はスイングトレードというイメージです。
自分がどの時間軸でトレードをするかによって、トレンド判断をする時間軸を合わせなければいけません。
スイングトレードをしようとしているのに、短期の時間軸でトレンド判断をしてもエントリーや決済時に適切な判断は出来ません。
この時間軸を合わせましょうということですね。
3、主要なトレンドは3つの段階から形成される
トレンドは先行期、追随期、利食い期の3つの段階からなります。
それぞれ以下のような場面になります。
先行期:底や天井付近にある状態で、価格がこれからトレンド方向に動き出すところ
追随期:トレンドが少し出ていて、一般的なトレーダーが参入してくる段階
利食い期:トレンドが終わる段階になり、素人が飛び乗ってくるところ
トレンドはずっと続いていくわけではないので、トレンドフォローでトレードをしていくためには先行期や追随期に仕掛けておかなければということになります。
利食い期に入ると、明らかにトレンドが出て移動平均線などから価格が大きく乖離しているので、その段階ではトレンドフォローでトレードをするのは控えたほうが良いかもしれません。
4、価格は相互に確認される必要がある
これは「相関性」という言葉にも置き換えられます。
トレンドが強く出ているときは、ドル円やユーロ円などのクロス円は似た動きをしやすいことが多く、ユーロドルやポンドドルのドルストレートも似た動きをしやすいことが多いです。
つまり、似た動きをしているときはトレンドが強く出ていると考えられるので、まだ相場が伸びると判断して利確を大きく狙うことも出来ます。
トレンドの強さを認識するためにも、この点を意識してみてもいいのではないでしょうか。
5、トレンドは出来高でも確認される必要がある
強いトレンドが出ているときには、出来高も大きくなるというものになります。
株の場合は板がありますが、為替には一部の証券会社の板しかないので、どこまで信ぴょう性を持たせていいのか難しいところがあります。
なので、ローソク足の大きさや何かのインディケータを使って判断していくといいかもしれません。
出来高がないトレンドは、トレンドには成り切らないので、
レンジになったり、トレンドが出たと思ってもちょっと動いて終わることもあります。
何かしら出来高を見れる指標を持つと便利ですね。
6、トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
この言葉通りの意味になります。
ダウ理論は、
・重要な高値安値が切り上がっている状態では、アップトレンドが継続している
・重要な高値安値が切り下がっている状態では、ダウントレンドが継続している
と捉えることができます。
ここで言う転換シグナルは、それぞれのトレーダーが何を使うかによって変わってきますが、
わかりやすいものとしては、
・アップトレンド時に切り上がっていた重要な安値を下に割り込む
・ダウントレンド時に切り下がっていた重要な高値を上に越えていく
というのが考えられます。
これによってトレンドが転換したと判断することができます。
アップトレンドとダウントレンド
ダウ理論のトレンドは上記にも書きましたが、
・重要な高値安値が切り上がっている状態では、アップトレンドが継続している
・重要な高値安値が切り下がっている状態では、ダウントレンドが継続している
こちらをまず意識しておくといいです。
その上で下の画像をご覧ください。
頂点となる左の赤矢印の高値から下落が始まり、上下しながら赤矢印がある間は重要な高値安値を切り下げて下落していますが、赤矢印の高値を超えてきたタイミングでトレンドが下落から上昇に変わっています。
このような形で、重要な高値安値が切り下がっている間はダウントレンド、重要な高値安値が切り上がっている間はアップトレンドとして見ていくと、
基本的なトレンドの判断はしやすいので、ぜひ覚えておいてください。
トレンドのゾーンの話
トレンドフォローでトレードをするにあたっては、
ダウ理論の基本原則3で書いた、「主要なトレンドは3つの段階から形成される」を認識することはとても重要で、仕掛けどころとしては先行期と追随期で仕掛けたいところです。
しかし、多くの負けてしまっているトレーダーは、トレンドがはっきり出たと確認しやすい、利食い期で仕掛けている人が多く、
もうトレンドが伸びきってしまった場面で仕掛けているので、トレンドフォローをしているようでしていないという状態になっています。
先行期から仕掛けるのは最初は難しいですが、先行期がどこかを探ることによって次に現れる追随期が見えてくるので、追随期でトレードをしていくためには先行期を意識しておくと良いですね。
そのためにはダウ理論の基本原則6の、「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」を理解しておくと良いと思います。
トレンドが転換したのが確認できれば、次に追随期がやってくるので、そこでトレンドフォローでトレードを考えていくという形ですね。
狙う前の段階を意識しておくと、狙う段階でトレードがしやすくなるので、
先行期 ⇒ 追随期 ⇒ 利食い期 ⇒ 先行期 ⇒ 追随期 ⇒ 利食い期 ⇒ 先行期・・・
というサイクルを意識しておきましょう。
まとめ
トレンド判断は裁量トレードをする上での重要項目の1つです。
これが出来る出来ないでトレードの質は勿論、結果も大きく変わるので、まずは基礎的なトレンドの判断の仕方を覚えて実践してみましょう。
いきなり結果は思ったようにはいかないと思いますが、その経験を軸にしてすり合わせをしていくとトレンドの判断の精度がより上がっていきます。
基本としては、
・アップトレンド時に切り上がっていた重要な安値を下に割り込む
・ダウントレンド時に切り下がっていた重要な高値を上に越えていく
こちらを意識してトレンドの判断をしてみてください。